金沢の「ひらみぱん』に学ぶ価格を上げる価値とは
金沢にある『ひらみぱん』に行ってきました。
金沢でパン屋と言ったらひらみぱんが一番に上がってきます。
パンが美味しいのはもちろん雰囲気も良くて地元の人から観光客まで多くに人に人気があるお店です。
どうして沢山あるパン屋の中でもここがダントツに人気なのか知りたくてモーニングを食べに行ってきました。
実際に行ってきた感想は、人気になる理由が分かりました。
ひらみぱんのモーニングはパンと目玉焼きとサラダのプレートとドリンクが付いて1,400円。
決して安くはないですがそこまで高いわけでもない。
今回伝えたい事は価格以上に価値を上げる施策をいくつ入れることができるかと言うこと。
百貨店は優待やセールによる割引、上顧客へのインセンティブなど高級品を扱う百貨店が実は一番、商品の価値を下げて販売しています。
もはや百貨店は商品を安く買える場所になってしましました。
商品には定価があってその定価で売る事ができれば全員がハッピーになります。
でも、割引やインセンティブに慣れてしまったお客様はこれらがなくなったら離れてしまうかもしれません。
では何をしなければいけないかというと、価格以上に商品の価値を上げる努力をする事が必要になります。
ひらみぱんで感じた価格以上に価値を上げてる仕掛けを紹介します。
来店日2月4日午前8時オープンと同時。
①店内に入り席に着くと全ての席にブロックチェックのインポートのブランケットが掛けてある
②席に着くとお湯が出てくる
③お湯を追加する時に笑顔と声がけをする
④食器を片すときに手紙を渡す
⑤食後のドリンクにクッキーをつける
上に書いた5つがひらみぱんが価値を上げるためにしていることです。
少し詳細を書きます。
①寒い冬のモーニングでは店内に入ってすぐはお客様もまだ温まってないのでブランケットが必須です。
このブランケットを事前に席にセットしておく事で、お客様が店員にブランケットを頼む手間を省くとともに店内の雰囲気を温かいおしゃれな空間に演出してくれます。
②お水ではなくお湯を出す
通常飲食店では最初にお水をが出るのが普通ですよね。
でもひらみぱんではお水でなくお湯が出てきます。
これまでお湯を出すお店に出会ったことがなかったので凄く衝撃を受けました。
ちょっとした事ですが寒い冬にお湯は体を温め食事をするための準備に最適だと思います。
当たり前にお水を出すのでなくその時のお客様の状況や気持ちを考えてお湯を出す発想になるのが素晴らしい。
③食事をしているとホールの女性がお湯が減っているのを気にしてタイミングよくお湯を足しにきてくれます。
その時にマスク越しでも分かる笑顔とさりげない一言をかけてくれました。
「今日は旅行ですか?」ってさりげない言葉をかけてお湯を注いで他のテーブルに向かいました。
これがこの後の伏線なんですけどきっとこのお湯を追加するのがとても需要なんです。
このお客さんがどう言う人で何を目的に金沢に来たのかを確認してます。
たった一言二言で済む会話でお客様の情報を得るスキルも凄い。
④食事が終わって食器を片しに来た先程の女性が食器を下げると同時にエプロンのポケットにあった手紙をテーブルに置いてくれました。
クロワッサンの形の手紙には良い旅を〜♪またお待ちしております。
と書いてありました。
きっとこの女性は何種類かの手紙を用意していてお客様にあった手紙をさっと渡しているんだと思います。
先程の会話の中で旅行なのか地元の人なのか判断してるんだと思います。
⑤食後のドリンクと一緒に一口クッキーをつける。
私の好きなカフェも同じなんですがコーヒーや紅茶など頼んで、そっとお菓子が付いてくると得した気持ちなりませんか?
同じ500円のコーヒでもコーヒーだけ出てくるのとコーヒーとクッキーが出てくるではどっちの方が期待以上でしょうか。
とこんな感じでひらみぱんには小さなサプライズが沢山詰め込まれてます。
私がいた間は他のお客様にも同じ対応をしていたので、人気になる理由が分かりました。
実際ここのモーニングは1,400円なんです。(店内おしゃれでパンもおいしい)
でも大手のカフェに比べたら高いです。(1,000円以下で沢山ありますよね)
私はひらみぱんのモーニングは正直1,400円以上の価値を感じました。
お金を払うときにとてもお得にさえ感じてしまいました。
ここからは何を言いたいかという事ですが
我々は価値の捉え方を間違っていたと言うこと。
確かに安く買える事はお客様にとってメリットですしお客様はその時は満足します。
でも、次も安くないとお客様は満足しないですし来てくれません。
それに比べてひらみぱんは価格を一切下げていません。
価格を変えずにサービスによって売り物の価値を上げ割引以上のお客様の満足を提供しています。
この発想はとても大切で自分たちの売り物をどうやって定価で売れるかを必死に考える事が重要だと改めて感じました。
○○円値下げして売るならそれと同じ価値をサービスで提要できないかと考えるべきです。
1,000円の割引をするなら1,000円を使ってお客様を喜ばす事を考えください。
定価以上の価値を感じたお客様は必ずリピートしてくれますし、あなたのお店のファンになり毎回定価で商品を買ってくれます。
ファンになったお客様は好きなお店を友達に紹介してくれます。
逆に安く買えるお店の事はお客様は紹介してくれません。
だって、安く買った物を身に付けてますって友達に言いたくないですからね。
結局定価以下で売り続けるとブランドの価値は下がりお客様の満足は定価以下になります。
何を売り物にしても定価で商品を売る事がプロの仕事でありその価値を上げるのは人によるサービスだと思います。
売り手がどれだけお客様の気持ちや嬉しいに気がつき対応出来るかが鍵だと思います。
ただ商品を売るのでなくどうしたら商品価格以上に価値をお客様に伝えれるかを考えることが大切。